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2018年4月28日 (土) 南北首脳会談 平和の定着につなげたい 아사히 신문 사설

南北首脳会談 平和の定着につなげたい




 このわずか数百メートルの歩みに、70年近くの分断と対立の重みがあった。金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長はきのう、北朝鮮の最高指導者として初めて軍事境界線を越え、韓国の地を踏んだ。

 史上3度目の南北首脳会談が実現した。

 「金委員長が境界線を越えた瞬間、板門店は分断ではなく、平和の象徴になった」

 会談の冒頭で文在寅(ムンジェイン)・韓国大統領が語ったように、いまも冷戦構造が残る朝鮮半島に、新たなページが開かれつつあることを印象づけた。

 両首脳は会談後、非核化や恒久平和の定着の問題を盛り込んだ「板門店宣言」に署名した。

 文氏は今秋、平壌を訪問することが明記された。南北のトップ同士が意思疎通を深めることは望ましく、偶発事故の未然防止にもつながるだろう。

 一方で宣言の他の中身は、07年の前回に出た南北共同宣言から大きな進展はなかった。非核化も平和構築の問題も、南北だけでは解決できないという限界も浮き彫りにした。

 対立から和解へ。この流れを発展させるには、南北当事者と国際社会の協力が欠かせない。

 ■戦争を終わらせる

 今年は朝鮮戦争の休戦協定が結ばれて65年。協定の半年前に生まれた文氏の歩みは、停戦下の緊張とともにあった。

 今年こそ公式に戦争を終結させ、平和協定をめざす。今回の板門店宣言が掲げた目標だ。

 かつて休戦協定に署名したのは国連軍北朝鮮軍、中国軍の3者だったが、南北の当事者が主体的に和平を築く決意を込めたものだろう。

 宣言では軍事面での信頼醸成が強調された一方、経済面での内容は乏しい。07年の宣言にあった経済協力を改めて推進するとしたが、具体的な事業には踏み込まなかった。

 そこには韓国側の抑制がうかがえる。確かに、北朝鮮の融和路線への転換は歓迎すべきではあるが、まだ対話は緒についたにすぎない。

 歴史的な板門店での握手と談笑が実現したことだけを理由に、国際制裁を緩めるのは適切ではない。民族の友好と、経済支援とを冷静に切り離した文氏の判断は賢明だった。

 金氏は、核とミサイルを手放す意思は示しておらず、国際社会のまなざしは当然厳しい。

 南北の和解をすすめ、平和と安定につなげるためには、北朝鮮の明確な核放棄が必須条件だ。その点を文氏は重ねて説き続けるべきである。

 ■非核化は「米朝」へ

 最も注目された核問題について、板門店宣言は「完全な非核化を通じ、核のない朝鮮半島を実現する」とうたった。

 国際社会が求める「完全で検証可能かつ不可逆的な核廃棄」の一部である「完全な非核化」に言及したのは前進だが、具体的な行動への言及はない。

 北朝鮮がかねて主張する、在韓米軍を含めた朝鮮半島全体の非核化も盛り込まれていることから、北朝鮮が譲歩を示したと受け止めることはできない。

 もともと今回は、6月はじめまでに予定される史上初の米朝首脳会談に向けた予備協議の色合いがあった。核問題については、米朝間の交渉に焦点が移ったとみるべきだろう。

 トランプ米大統領は、今回の南北会談の結果について綿密に分析し、金氏から非核化への具体的な行動と約束を取りつける十分な方策を練るべきだ。

 段階的に非核化をめざした過去の合意を生かせなかった失敗を繰り返さず、なおかつ、芽生え始めた和平の動きを摘んでしまわない。そんな巧みな配慮と外交戦術が求められる。

 金氏と長時間ひざを交えた文氏は5月に訪米する。トランプ氏は謙虚に耳を傾け、本格的に朝鮮半島の将来像を考えた政策を打ち立ててほしい。

 ■日本も積極関与を

 北朝鮮は先の党中央委員会総会で、国民の生活向上とともに周辺国や国際社会と緊密に連携し、対話することを決めた。

 本気で経済の立て直しに取り組むつもりであれば、日本との関係改善も求めてくるはずだ。

 安倍首相から要請された文氏は、きのうの会談で日本人拉致問題に触れることを約束していた。著しい人権侵害である拉致問題の一日も早い解決を求めるのは当然のことだ。

 一方で非核化や地域の平和構築の問題が動き始めた時に、日本がまったく関与しないという選択肢はない。

 国交正常化を見すえ、両国間の懸案の包括的な解決をめざした02年の日朝平壌宣言という原点にもどって考えるべきだ。

 今回の南北会談に続き、米朝会談の結果次第では、北東アジアの枠組みや構造が大きく変わる契機となる可能性がある。

 北朝鮮に核を放棄させ、国際社会に取り込む作業に、日本も積極的に加わらねばならない。「蚊帳の外」になるかどうかは、日本の外交次第である。



2017年4月2日(日)教育勅語 過去の遺物が教材か 아사히 신문 사설

2017年4月2日(日)


教育勅語 過去の遺物が教材か



 安倍内閣が教育勅語(ちょくご)について「憲法や教育基本法に反しない形で教材として用いることまでは否定されない」とした答弁書を閣議決定した。

 この決定に強い疑念を抱く。

 「朕(ちん)(明治天皇)」が、「臣民(国民)」に示した教えが教育勅語だ。

 天皇と国家への服従を説き、国民を戦争へと駆り立てる役割を果たした。国民に批判の自由はなかった。

 親孝行、夫婦仲良く、友達を大切に。教育勅語が説く徳目を肯定的にとらえるべきだ、という主張も自民党などにある。

 だが教育勅語の本質は、こうした徳目を実行することで「一旦緩急あれば義勇公に奉じ、以(もっ)て天壌無窮の皇運を扶翼すべし」(いざという時には一身を捧げて皇室国家のために尽くせ)と国民に求めたことだ。

 こうした歴史的事実を教えるための資料として、教育勅語を使うことはあっていい。

 だが、安倍内閣の思惑はそれにとどまるまい。

 「戦後レジームからの脱却」を説いてきた首相、復古的な憲法改正草案をもつ自民党、教育勅語を「全体として」肯定する稲田防衛相……。

 この内閣の言動や思想をあわせ考えれば、今回の閣議決定は、戦前の価値観に回帰しようとする動きの一環と見なければならない。

 これが、教育現場でのなし崩しの教育勅語復権につながる恐れは否定できない。

 松野文部科学相は教育勅語の授業での活用について「適切な配慮の下であれば問題ない」としているが、何が「適切」なのか、どう判断するのか。

 教育勅語は終戦後の1948年、衆院で排除の、参院で失効の決議がされた。

 参院決議はこう述べている。

 「われらは日本国憲法にのっとり、教育基本法を制定し、わが国とわが民族を中心とする教育の誤りを払拭(ふっしょく)し、真理と平和を希求する人間を育成する民主主義的教育理念を宣言した。教育勅語がすでに効力を失った事実を明確にし、政府は勅語の謄本をもれなく回収せよ」

 今回の閣議決定は、この決議と真っ向から対立する。

 親孝行などの徳目は大事だ。

 しかしそれは、教育勅語という「過去の遺物」を持ち出さなければ、子どもたちに教えられないものではない。

 教育勅語は国民主権、基本的人権の尊重など現行憲法の基本原則と相いれない。子どもたちを教え、導く学校現場にふさわしい教材とは到底、言えない。



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